2013年 11月 18日
スポークカッターって何ができるの? |

先日から度々登場するスポークカッターですが、
今日は昨日の宣言通りに『ナニができるか?』を書いていこうと思います。
先日お客さんに『最近よく(スポークカッターの記事が)出るけど、よっぽど嬉しかったんやね』
と言われましたが、その嬉しさは実はもう既に過ぎ去っていて、今は
『どう活用するか』『どうやるとより早くキレイに運用できるか』て段階です。
スポークカッターの効用は先日も書きましたが、
正確な長さとキレイなネジ山のスポークを作る。
というこの2点に尽きます。

ココでスポーク長さを決めたら

こんな風に引っ掛けてから内蔵されたカッティング刃でカット。
その後ネジ山を作る。というしごくシンプルな手順です。
これらの作業が早く確実に出来る。
というのがこの工具の利点なのですが、
『そもそもスポークをカットするってどういう場合に使うの?』
というのが今日の本題。(ここからがようやく本編です)

はい。
左の銀色のスポークが290mmくらいで700cのホイールはこのあたりの長さで組まれます。
もちろん、使うリムやハブでこの長さは変化します。
変わって右の黒いスポーク。
250mm前後で、24inのホイールに使う長さのスポークです。
問題は・・・
このあたりのスポーク、滅多にないのです。
僕は今までいろんなホイールを組んできたり、周りの友人メカニックと話す中で得られた経験から
DTというスイスのメーカーのスポークをよくおすすめしています。
現在国内にはこのDTの代理店は1社だけなのですが、
代理店さんの在庫にはこのあたりの長さのスポークがありません。
よく使うコンペティションという2.0/1.8mmのバテッドスポークがあるのですが、
それの黒いスポークは256mmから300mmまで2mm刻み。
銀色はさすがに豊富ですが258mmが最短です。
つまりは24inのホイールを組もうとなった時、
『スポークを切って使う』しか方法はないのです。
24inどころか700cでも29inでも26inでも
黒いコンペティションの奇数長のスポークが欲しい場合は、
同様に切って作るしか方法はありません。
『DTじゃなくても良いじゃん』て思う方もいるかもですが、
DTと並ぶ世界的スポークメーカーのホイールスミスのスポークでも
シルバーのストレートゲージ(俗に言う14番プレーン)は
200mmが最短、次に長いのは262mm、
黒のストレートゲージの最短が同じく200mm、次に長いのが257mm。
250mmの長さが欲しい場合はカット前提です。
国産の雄(というか唯一になってしまいました)ホシスポークはさすがに豊富ですが、
問屋さんが全てを1mm刻みで在庫してくれているワケでもありません。
さて、ここまで読んであれ?て思った方も多いかもしれません。
24inでさえ『長すぎる』スポーク。
日本には永く根付いた一つのジャンルがあります。
そう、みんな大好き『小径車』
20inを代表に、18in、16in、はては12inやさらに小さな車輪の自転車たち。
それらの車輪を組もうと思えば、必然的にスポークカッターは必要になってきます。

画像は一番大きいものが700c。中くらいのが24in。
金色のものが20in。
20inにはどれくらい短いスポークが必要になるか、直感的に理解しやすいかと思います。
つまりは『小径車のホイール組にも迅速に対応できる』ワケです。
スポークって大切で、長さが違えばホイールの出来上がりに左右します。
手組みホイールはスポーク長を計算して組んでいくワケですが、
組んでいく段階で『なんだかイマイチだな』という感触になる事があります。
『あ、長すぎる』とか『ちょっと短いかも?』とか『基準内だけど気に入らない』とか
理由や干渉は様々ですが組みなおす事も多いです。
それらの時に『さっきより1mm長くor短く』と設定して(取り寄せを待たずに)組み直せる。
というのも、とても大きな利点です。
さらにはもう1点。
一番長い長さのスポークを用意しておけば、『とりあえずすぐに直して欲しい』という
ご要望にも、すぐに応えられる。という利点もあります。
当初から書いている通り、少しでも早くお渡しできるように。
というのが、僕がスポークカッターを導入した理由だったりします。
by cctech
| 2013-11-18 23:50
| 自転車屋さんを作ろう
|
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