2013年 09月 29日
組んだのは誰よ? |
-ただの酔っ払いじゃなかった-
組んだのは誰よ?
僕が『何か』をイジる時に、必ず念頭に置くのがこの言葉。
社会人になって始めて所属した会社、●△グループの代表の言葉。
当時バイクや車のプラモデル担当で入社したのに、
なぜかエアガンの修理や改造の主任になっちゃって数年の頃。
エアガンの改造をする人も自転車と同じで、
基本的には『ノーマルよりも良い性能にしたい』からイジるんです。
『性能』といっても威力や命中精度(どれくらい的に当たるか)だけでなく、
見た目(アメリカ海●隊と同じにしたい。とか、イギリスの特殊部隊のそれと同じ見た目にしたい。とか)
も含みます。
で、当時『性能を上げるならココの製品一択』と言われていたメーカーさんの製品に、
相当数の不良品が混じった時期がありました。
というよりも、入荷する製品のほぼ100%が致命的な欠陥を抱えていたのです。
早速メーカーに新品不良として抗議しましたが、
なぜかメーカ-はその製品を欠陥品とは認めません。
先週までの入荷分は、文句のつけようがない精度だったのに。
しぶしぶ組んで作動チェックしましたが、やはり異音がするし、
妙な削れ方をするしで、まともな製品ではありませんでした。
メーカーさんはおそらく気付いていたのでしょう。その上で
『全品交換していては赤字になる』
『次期製品の品質管理はしっかりして、このロットは売り切って誤魔化そう』
と考えたのでしょう。
事実、その数ヶ月後にはわずかな欠品期間を置いて
何事もなかったかのようにマトモな製品が出回るようになりました。
で、その酷い製品しか入荷しなくなったことをグループ店の本店会議で
提議した際に、グループ代表が発したのがその一言。
『メーカーへの抗議をしても、改善されないのならしょうがない。そこまでのメーカーだ。
でも、(その不出来な製品を使って)そのまま組んで渡して壊れた時に、
「メーカーが悪いんです。最近のロットは出来が悪くて」て言えるのか?
「(それを使って)組んだの誰よ?」て言われるだろう?
チューナー(イジる人)なら、愚痴る前にその半製品を使えるようにする事を考えろ』
と言うような事を言われました。
ダイゴロウ(4Lボトル)から焼酎を自分(代表)でグラスに注ぎながら・・・。
それまで僕はその人は『ふんぞり返っている冗談の好きな酔っ払いのオッサン』
程度にしか思っていなかったし、
『現場に出てない人に何が分かるんだ?』なんて事を思っていたのですが、
その一言は僕の胸に刺さりました。
だからと言って『それからめっちゃ尊敬するようになった』なんて事はなかったのですが、
その後その人を見る目が少しだけ変わりました。
話変わって、
最近入庫したのがこのバイク。
Rホイールを外すとこんな風に。あれ?なんか変ですよね?
赤いプレート(Rディレイラーハンガー)を固定するネジも、なんか斜めに入ってますし。
右が純正。左が適正なボルト長(正確には適正長よりコンマ数ミリ長いです)
フタ山もかかってなかったので、最初の画像のようになってたんですね。
おそらく増し締めだけで対処しようとして諦めたのでしょう。ネジ頭はナメかけてました。
真っ直ぐネジ山を立て直して、適正長に削ったボルトで、きちんと付きました。
今回の件、おそらくはメーカーが『短すぎるネジ』をフレームにセットしてきたのでしょう。
そういう意味では『アカン』のはメーカーです。
でも、それらの不具合を発見してお客さんの手に渡る前に適正なモノに換えたり、
加工したり、場合によってはメーカーに交換を依頼するのが僕達販売店の仕事
だと思っています。
『ここんちのコレがダメですよー』てんじゃないんです。
事実、どこの製品でも、似たような事はいくらでもあります。
『ウチはここまでやってますよー』っていうのでもないんです。
自分がこういう事をウチに来てくれるお客さんにやってしまうのが、何よりも怖いのです。
組んだのは誰よ?
僕が『何か』をイジる時に、必ず念頭に置くのがこの言葉。
社会人になって始めて所属した会社、●△グループの代表の言葉。
当時バイクや車のプラモデル担当で入社したのに、
なぜかエアガンの修理や改造の主任になっちゃって数年の頃。
エアガンの改造をする人も自転車と同じで、
基本的には『ノーマルよりも良い性能にしたい』からイジるんです。
『性能』といっても威力や命中精度(どれくらい的に当たるか)だけでなく、
見た目(アメリカ海●隊と同じにしたい。とか、イギリスの特殊部隊のそれと同じ見た目にしたい。とか)
も含みます。
で、当時『性能を上げるならココの製品一択』と言われていたメーカーさんの製品に、
相当数の不良品が混じった時期がありました。
というよりも、入荷する製品のほぼ100%が致命的な欠陥を抱えていたのです。
早速メーカーに新品不良として抗議しましたが、
なぜかメーカ-はその製品を欠陥品とは認めません。
先週までの入荷分は、文句のつけようがない精度だったのに。
しぶしぶ組んで作動チェックしましたが、やはり異音がするし、
妙な削れ方をするしで、まともな製品ではありませんでした。
メーカーさんはおそらく気付いていたのでしょう。その上で
『全品交換していては赤字になる』
『次期製品の品質管理はしっかりして、このロットは売り切って誤魔化そう』
と考えたのでしょう。
事実、その数ヶ月後にはわずかな欠品期間を置いて
何事もなかったかのようにマトモな製品が出回るようになりました。
で、その酷い製品しか入荷しなくなったことをグループ店の本店会議で
提議した際に、グループ代表が発したのがその一言。
『メーカーへの抗議をしても、改善されないのならしょうがない。そこまでのメーカーだ。
でも、(その不出来な製品を使って)そのまま組んで渡して壊れた時に、
「メーカーが悪いんです。最近のロットは出来が悪くて」て言えるのか?
「(それを使って)組んだの誰よ?」て言われるだろう?
チューナー(イジる人)なら、愚痴る前にその半製品を使えるようにする事を考えろ』
と言うような事を言われました。
ダイゴロウ(4Lボトル)から焼酎を自分(代表)でグラスに注ぎながら・・・。
それまで僕はその人は『ふんぞり返っている冗談の好きな酔っ払いのオッサン』
程度にしか思っていなかったし、
『現場に出てない人に何が分かるんだ?』なんて事を思っていたのですが、
その一言は僕の胸に刺さりました。
だからと言って『それからめっちゃ尊敬するようになった』なんて事はなかったのですが、
その後その人を見る目が少しだけ変わりました。
話変わって、
最近入庫したのがこのバイク。
Rホイールを外すとこんな風に。あれ?なんか変ですよね?
赤いプレート(Rディレイラーハンガー)を固定するネジも、なんか斜めに入ってますし。
右が純正。左が適正なボルト長(正確には適正長よりコンマ数ミリ長いです)
フタ山もかかってなかったので、最初の画像のようになってたんですね。
おそらく増し締めだけで対処しようとして諦めたのでしょう。ネジ頭はナメかけてました。
真っ直ぐネジ山を立て直して、適正長に削ったボルトで、きちんと付きました。
今回の件、おそらくはメーカーが『短すぎるネジ』をフレームにセットしてきたのでしょう。
そういう意味では『アカン』のはメーカーです。
でも、それらの不具合を発見してお客さんの手に渡る前に適正なモノに換えたり、
加工したり、場合によってはメーカーに交換を依頼するのが僕達販売店の仕事
だと思っています。
『ここんちのコレがダメですよー』てんじゃないんです。
事実、どこの製品でも、似たような事はいくらでもあります。
『ウチはここまでやってますよー』っていうのでもないんです。
自分がこういう事をウチに来てくれるお客さんにやってしまうのが、何よりも怖いのです。
by cctech
| 2013-09-29 15:03
| 自転車屋さんに望むもの
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